海外FX会社を選ぶ際、入出金の利便性は重要なポイントになります。そこでこの記事では、海外FX口座の入出金方法についてその仕組みや、手数料、メリット・デメリットなどを紹介しています。海外FX口座の入出金について疑問や不安を抱えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
海外FX口座の入出金事情
まずは海外FX口座の入出金事情について説明します。
入出金方法はFX会社によってまちまち
国内FX会社の場合、入金はクイック入金が主流で振込手数料はFX会社が負担してくれるのが当たり前となっています。出金についてもあらかじめ登録しておいた銀行口座に数営業日で振り込まれます。
ところが、海外FXの場合、入出金方法は統一されておらず、FX会社によってまちまちです。例えば国内FX会社では対応していないクレジットカードや国際決済サービスなど様々な入出金方法が入り乱れています。
金融庁からの圧力
日本の金融庁は海外FX業者が利用する送金サービス業者に圧力をかけ、日本の銀行口座への出金方法を制限しています。国際決済サービスの大手ネッテラー(NETELLER)が海外FXやバイナリーオプションの送金から撤退したのも金融庁からの圧力が原因と言われています。
海外FX会社によって対応している入出金方法が異なるのもそのせいで、今後も入出金方法は様変わりしていくと思われます。
『入金と出金は同じ手段』がルール
ほとんどの海外FX会社は入金にクレジットカードを使うことができます。ところがクレジットカードで入金した資金を銀行口座に出金することはできません。
海外FXでは原則、入金と出金は同じ手段で行うことがルールとなっています。例えばクレジットカードで10万円、銀行送金で5万円入金した場合、10万円はクレジットカード、5万円は銀行送金で出金しなければなりません。
これは、マネーロンダリング(資金洗浄)を防止するため、入金方法と出金方法の名義の整合性を求められていることと、クレジットカードのキャッシュアドバンス(クレジットカードのショッピング枠の現金化)を防止する目的からです。
ただし、上記ルールはあくまで原則であって、そこまで厳密にルール化していない海外FX会社もありますが、クレジットカードの場合だけは、出金は「入金のキャンセル(返金)」という扱いで処理(リファウンド処理)されるので入金と出金は同じクレジットカードで行わなければなりません。
もちろん、FX取引で得た利益はそもそも入金したわけではないのでFX会社が対応している、お好きな手段で出金することができます。
海外FX口座の主な入出金方法
海外FX会社で利用できる主な入出金方法には、次のようなものがあります。
- クレジット/デビットカード
- 国内銀行送金
- 海外銀行送金
- 国際決済サービス
- 仮想通貨
クレジットカード/デビットカード
国内FX会社では対応していませんが、ほとんどの海外FX会社ではクレジットカードやデビットカードで入金することができます。FX会社によって対応しているブランドが異なりますが、VISAならほとんどのFX会社で対応しています。
トレーダーがクレジットカードで入金するとクレジットカード会社のショッピング枠を使ってFX会社に入金されます。入金は即時反映される上に手数料も安いので最もおすすめの入金手段です。
これに対し、クレジットカードによる出金は「クレジットカードによる入金のキャンセル」あるいは「クレジットカードによる入金の返金」という扱いで処理されます。一般的にはクレジットカードによる入金と出金のタイムラグが少なければキャンセル、多ければすでに決済されてしまっているので返金になります。後者の場合は返金完了まで1~2ヶ月くらいかかってしまいます。
従って入金と出金は同じクレジットカードで行わなければなりません。
入金 | 出金 | |
手数料 | 無料(一部の海外FX会社では入金額の1~3%) | 無料 |
メリット |
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デメリット |
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国内銀行送金
国内銀行送金による入金は、海外FX会社が契約した決済代行会社が持つ三菱UFJ銀行や三井住友銀行などの国内銀行口座に振り込む方法です。指定口座に着金し次第、取引口座に資金が反映されます。
これに対し、国内銀行送金による出金は海外FX会社が国内銀行に振り込んでくれます。
入金・出金いずれも国内銀行と海外銀行を仲介する仲介銀行を経由するので時間がかかる上に手数料も割高になります。
入金 | 出金 | |
手数料 | 無料(国内銀行への振込手数料のみ) | 無料 |
メリット |
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デメリット |
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海外銀行送金
海外銀行送金は、海外にあるFX会社を日本在住の私たちが使うため、最もオーソドックスな入出金方法です。
トレーダーが自身の口座がある国内銀行から送金すると中継銀行を経由して海外FX会社の口座がある現地の海外銀行口座に入金されます。国内銀行と現地銀行はコルレス契約がないため、直接送金することができないのでコルレス契約のある中継銀行を経由する必要があります。
海外銀行送金では以下のような手数料がかかります。
送金手数料 | 送金銀行で発生する手数料。出金時は海外FX会社が負担 |
受取手数料 | 受取銀行で発生する手数料 |
中継銀行手数料 | 送金時に中継する銀行が徴収する手数料。複数の銀行を中継することもある |
為替手数料 | 各銀行が採用する為替レートに含まれる手数料。通貨の両替の際に発生 |
リフティングチャージ | 送金と受取の通貨が同一で両替が発生しないときに発生する手数料。円為替取扱い手数料 |
海外銀行送金は各行で手数料が徴収される上に経由する銀行分だけ時間もかかります。他の入出金方法が用意されているのであればあえて海外銀行送金を選ぶ必要はありません。
入金 | 出金 | |
手数料 | 5,000~7,000円 | 3,000~5,000円 |
メリット |
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デメリット |
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国際決済サービス
国際決済サービスとは、銀行やクレジットカード会社とFX業者の間を仲介して入金や出金、決済処理を代行してくれるオンラインサービスです。国内での資金移動に留まらず、国境を越えて多国間で入出金処理をできるのが特徴です。
特に複数の海外FX口座を使い分けてFX取引を行う場合、たった一つの国際決済サービスに登録しておくだけで、そこをハブとして複数のFX口座に入出金することができます。そのため、資金移動がスピーディーかつスムーズになって管理がしやすくなります。
国際決済サービスによってはデビットカードを発行してもらい、国内のコンビニATMから残高を現金で引き出すこともできます。
また出金コストの安さは注目に値します。例えば銀行送金では出金に数千円かかるのが普通ですが、国際決済サービスは、FX業者間の資金移動なら無料、FX業者の口座から国内銀行口座に送金する場合でも、1,000円程度の手数料で済みます。
しかも、処理完了までに1週間程度時間を要することもある銀行送金に比べ、国際決済サービスは入出金処理がすぐに反映されるなど、安さだけでなくスピードも兼ね備えています。
現在、国際決済サービスで最もメジャーなのはbitwalletで次点はSTICPAYとなっています。
入金 | 出金 | |
手数料 | 入金額の数% | 入金額の数% |
メリット |
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デメリット |
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仮想通貨
海外FX会社によってはビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨を使って入出金することもできます。仮想通貨はオンラインウォレットや仮想通貨取引所を通じて入出金します。
仮想通貨による入金は仮想通貨の送金手数料が発生するだけなのでお得です。出金はほとんどのFX会社で無料となっています。FX口座にも即時反映されます。
ただし仮想通貨は価格が安定しておらず、決済手段には適していません。
入金 | 出金 | |
手数料 | 仮想通貨の送付手数料 | 無料 |
メリット |
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デメリット |
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まとめ
海外FX会社では様々は入出金方法があり、どれを使うべきか悩ましいところですが、基本的にはクレジットカードによる入出金がおすすめです。
利益分については国内銀行送金がある場合は国内銀行送金を使います。国内銀行送金がない場合や複数のFX会社を使い分けているの方はbitwalletを準備しておきましょう。
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